プロテインの種類・効能・価格を解説&糖質制限中におすすめのプロテインまとめ
糖質制限ダイエット中に多く摂取すべき栄養素第一位と言えばなんでしょうか。
結構多くの人が知っているのではないかと思いますが、答えはタンパク質です。
糖質制限により脂肪をエネルギーとして使いやすい体質を作りつつも、筋肉は落とさず(出来れば増やして)基礎代謝により痩せていくのが糖質制限ダイエットの理論です。そして、その筋肉を維持するために必要な成分がタンパク質です。
最近有名なRIZAPでは体重の2倍~3倍(g)タンパク質を摂取するよう推奨していると聞きますが、鶏むね肉でもタンパク質含有量は全成分のうち約20%。つまり、体重約70kgの私の場合、鶏むね肉だけを摂取するのであれば、1日に700g~1kg程度必要ということになります。ちなみに豆腐ならタンパク質含有量5%前後なので、2.8kg~4kgです。どう考えても無理です。
ということで前置きが長くなりましたが、プロテインはそのタンパク質を最も効率よく摂取できる食品です。(ステロイドと混同する方がいますが、プロテインは薬ではありません。食品です。)
今回は「糖質制限中には、どのプロテインを選ぶべきなのか」に注目して、プロテイン初心者が糖質制限中に効果的なプロテインライフを営むための情報をお届けします。
※2016/01/10に大幅加筆修正を行いました
飲みやすさに注目した「初心者向けプロテイン」に関する情報や、プロテインを飲みやすくするコツなども追記しています。
もくじ
糖質制限中には、どのプロテインを選ぶべきなのか
プロテインとは、特定の食品からタンパク質を凝縮させたものです。
原料となる食品には「牛乳」「大豆」「卵」などがあり、それぞれに特徴があります。
その特徴によって推奨される利用シーンが変化しますので、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
(「解説とか要らないから何買えば良いかだけ早く教えろ」という方はここをクリックしてください。そこまで飛びます。でも理解した方が成功率あがると思うよ!)
ホエイプロテイン(牛乳)
牛乳からチーズを作る際などに発生するホエイ(乳清)から作られるのがホエイプロテインです。
ヨーグルトの上に浮いてくる水分も、ホエイです。捨てないで飲みましょう。
市販されているプロテインの多くがこのホエイプロテインで、吸収が早く、水に溶けやすいという特徴を持っています。吸収が早いため即効性があり、トレーニング前後で飲むと筋肥大を効率的に促進します。
製法によって成分が異なるのもホエイプロテインの特徴で、以下の4(3)種類の製法が存在します。
WPC製法(ホエイプロテインコンセントレート)
ホエイプロテインの中ではタンパク質含有量が低く、乳糖が多く残ってしまうのがこの製法の特徴です。一番低価格で種類も多いですが、低糖質ダイエットの場合、乳糖は出来る限り控えたいのであまりお勧めしません。
WPI製法(ホエイプロテインアイソレート)
WPCよりもタンパク質含有量が多く、乳糖も少なく仕上がるのがこの製法です。
WPIには製法が大きく分けて二つあり、それによって生成後の成分に変化が生じます。
乳糖だけでなく、身体に良い成分も取り除いてしまいまう「イオン交換法」と、その弱点を克服した「CFM製法(クロスフローマイクロフィルトレーション)」があり、購入前によく注意書きなどをチェックしないと失敗します。
WPCよりも一般的に高価ですが、糖質制限には向いていると言えます。私の一押しはこのタイプ(CFM製法利用)です。
WPH製法(加水分解ホエイペプチド)
WPIよりさらにタンパク質含有量が多く、一番水に溶けやすいと言われています。ただし、最も高価で、更に味が悪いと言われているため、完全なプロ仕様になります。商品が少なく選択肢がほとんどないので、WPIで良いと個人的には思っています。あまり見かけないので、私も飲んだことないです。
カゼインプロテイン(牛乳)
牛乳を原料とするもう一つのプロテインがカゼインプロテインです。牛乳を温めたときに張る膜、あれがカゼインらしいです。
ホエイプロテインに比べてかなり吸収が遅く、睡眠前、起床時に摂取することで、身体にタンパク質不足が発生するのを防ぐのに向いています。
ソイプロテイン(大豆)
大豆を原料とするプロテインです。カゼインプロテイン同様吸収が遅く、睡眠前、起床時の摂取がお勧めです。
WPCより安価で高タンパクな商品が存在し、コストパフォーマンスに優れています。
また、原料が大豆であるため大豆イソフラボンなどの有効成分を多く摂取できるという特典もあり、女性におすすめのプロテインと言えます。
水に溶けにくく飲むのに苦労する点が最大のネックです。基本的に味はきなこ。
エッグプロテイン(卵)
卵を原料としたプロテインで、牛乳にアレルギーを持つ方などが利用するプロテインです。売っているのを見たことがない上、かなり高額と聞くため、現実的には利用不可能だと思います。
で、何を選べば良いの?
種類別の解説がかなり長くなりましたが、結論は以下になります。
・ホエイプロテイン(WPI)&ソイプロテイン
・または、ホエイプロテイン(WPI)&カゼインプロテイン(おすすめ)
ホエイプロテインはWPIの中でも、CFM製法のものがお勧めです。
どちらも「&」が入って二種類になっている理由は、「トレーニング前後に筋肥大を狙う目的で摂取するホエイプロテイン」と「起床時や就寝前に筋肉を維持する目的で摂取するプロテイン」の2種類を摂取した方が効率が良いからです。
個人的には後者の目的にはソイプロテインをお勧めします。安いしイソフラボンだし。
元々はソイプロテイン派でしたが、最近はホエイと混合させて飲んでいるため、癖のないカゼインプロテインを利用しています。
溶けやすさ、飲みやすさという点ではカゼインプロテインの方が優秀ですので、「ドロドロしたものを飲むのが苦手」と言う方はカゼインを選択した方が良いと思います。(ゴールドジムのプロテインのように、ホエイ&カゼインの混合なんてものもあります)
糖質制限中の方は「糖質の多い甘味料」で味付けをしていないものを選んでください。ここで砂糖入ってると糖質制限的には台無しです。(筋トレを伴うスタイルの方であれば、プロテインでの糖質摂取はむしろ推奨です。詳細は後述します。)
低糖質おすすめプロテイン
ホエイプロテイン
100gあたりの炭水化物含有量 0.4g
タンパク質含有量 95.4%
WPI(CFM製法)
炭水化物含有量の低さ、タンパク質含有量の高さ共に最高クラス。そして、CMF製法を用いることで有効成分は壊さずキープ。文句なしのプロテインです。
ビタミンやミネラルの付加はされておらず、そのことにより驚異のタンパク質含有量95.4%を実現しています。別途サプリを飲む方には、その方が都合が良かったり。
価格は1㎏で5000円強とやや値は張りますが、製造工程を見ると納得の内容。乳牛段階からの徹底した管理、高品質フィルターを使っての濾過など謎が多い他のプロテインとは一線を画しています。(書いてた時は6000円くらいだったのですが、値下がりしてよりお得になりました)
溶けやすさが尋常じゃないので、他のプロテインを利用していた方は感動すると思います。ほぼ無味無臭、わずかにミルク感。組み合わせるプロテインは色々と変えていますが、私もベースとして3年以上買い続けているプロテインです。
カゼインプロテイン
100gあたりの炭水化物含有量 4g
タンパク質含有量 81%
カゼインプロテインの定番中の定番です。というか純粋なカゼインプロテインは種類があまりありません。
高純度カゼインプロテインをうたっており、カゼインの割合が高い本物のカゼインプロテインとなっています。
ホエイに比べてカゼインは高価なため、カゼインプロテインとうたっていながらも、カゼインの割合が50%以下のプロテインも存在します。しかし、このビッグカゼインは主原料がカゼインカルシウムのみ。本物のカゼインプロテインです。
種類が少ないことも相まって、日本国内在住で国産のカゼインプロテインを利用するのであれば、ビッグカゼインほぼ一択になってしまいますが、選択肢がないと言っても、価格も控えめ、成分も良し、信頼度も高いと3拍子揃っているので、安心してください。
なお、ホエイより溶けにくく、単体で飲むとややどろっとします。牛乳(豆乳)だけでなく、水も入れたほうが賢明です。私はコストパフォーマンスの面から3kgを購入していますが、大きさが尋常じゃないので収納場所を確保してから購入しましょう。
ソイプロテイン
100gあたりの炭水化物含有量 4.4g
タンパク質含有量 90.5%
ソイプロテインはそもそも種類が少ないのですが、その中で一番炭水化物含有量が低かったのがこれ。同一スコアの似た商品もありましたが、パッケージが綺麗なこちらをセレクト。
1回あたり20gの摂取であれば、炭水化物摂取量は0.88g。朝夕で2回取っても1.76gと全く問題なし。
タンパク質含有量も90.5%と十分な数値で、起床後や就寝前に飲めば筋肉維持には十分な効果が見込めるでしょう。
味はほぼきなこ。ソイプロテインなので溶けにくいことは溶けにくいですが、シェイカー(うちではジップロックのスクリューボトル)に入れてよく混ぜれば結構溶けます。
塊が残ると気になる方は「水分と合わせてスプーンで混ぜる→空気をあまり入れないようシェイク→10分放置」でかなりしっかり溶けます。(入れすぎるとドロっとするので、その場合は水追加)
味がほぼきなこなので、料理にも使える万能プロテインです。
飲みやすさ重視、初心者向けおすすめプロテイン
ホエイプロテイン
1食(33g)あたり エネルギー:132kcal、たんぱく質:24.6g、無水物換算値:25.9g、脂質2.3g、炭水化物:3.2g
私が父に強制的に送りつけているプロテインがこちらになります。
プロテインを勧めた際「こんな不味そうなもの飲みたくない」と頑なに拒んでいた父ですが、このプロテインを持ち込んだところ「ココアみたいで美味い」と毎日飲んでくれるようになりました。
ということで、古い世代の私の父でも美味しく飲めるところから想像がつくかと思いますが、とにかく味が良いのがこのプロテインの特徴です。
WPC製法なので、低糖質おすすめプロテインで紹介したプロテインに比べるとタンパク質含有量は少なくなりますが、プロテインを続けられるかどうかのポイントは「味」につきるので、プロテイン入門者には非常におすすめの一品です。
私が生まれて初めて飲んだプロテインがこちらになります。
プロテインを飲みなれていなかった当時の私の感想は「溶けにくいミロ」
味は上で紹介したDNSのプロテインに比べてやや落ちるように感じますが(個人的な感想です)、低価格、少量版(378g)あり、近所の薬局でも手に入る(高いけど)、と入門用に最適なポイントを押さえています。
Amazonでベストセラー商品となっていることもあり、多くのレビューを見て購入を判断出来るのも良いところだと思います。
容量が大きく、海外輸入品であることから、ここに入れるべきかかなり悩みましたが、友人のジムマニアから激押しされたので入れておきます。
私はこの商品に関しては飲んだことはありませんが、彼曰く「国産のどんなプロテインよりも美味しい」「凄く溶けやすい」「国産のプロテインより全然安い」とのこと。
チャンピオンのプロテイン(チョコレート味)は最高、という話は他の方からも何度か聞いたことがあるので信ぴょう性は高いですが、私自身が飲んだことないので「仮おすすめ」とさせて頂きます。
(もし飲んだことある方いたらTwitterで感想教えてください。ここに掲載します。)
カゼインの初心者向けがこれです。またビッグカゼインです。
なぜかチョコレートは1kgサイズがないので、私は2kgで買ってます。
他にもマンゴー味など色々ありますが、ホエイと違ってドロドロしている上特有の味があるため、無難なチョコレート味をお勧めします。
ホエイに比べたらやはり飲みにくいので、ホエイと混ぜて、水を少し多めに入れて飲むことをお勧めします。
カゼインの中では一番飲みやすいと思います。
糖質とプロテインの関係
このサイトは糖質制限を中心に扱っているため、糖質の低いプレーン味のプロテインをお勧めしました。
しかし、糖質制限中であっても、むしろ糖質を取ったほうが良いタイミングが二つあります。
それは、筋トレ前と筋トレ後です。
厳しい糖質制限で体脂肪率を一桁パーセント台まで落とすボディビルダーであっても、筋トレ前後には必ず糖質を摂取します。理由は「糖質不足で筋トレをしても力が出し切れない(筋トレの効果ダウン)から」また「糖質不足で筋トレをすると、むしろ筋肉が減る可能性があるから」です。
筋トレ前後での糖質摂取は、筋トレ時の糖質消化&筋トレで傷ついた筋肉の回復に利用されるため、体脂肪にほとんど変わりません。体脂肪が増えるのではなく、筋肉の維持や増大に良い効果を与えます。もちろん、摂取量が極端に多ければ別ですが、筋トレ前後共に20~30gくらいは最低でも取ったほうが良いと考えられています。
ということで、筋トレ前後がプロテイン摂取のタイミングという人であれば、無理にプレーン味を買わずに、美味しいチョコレート味などのプロテインを買うのもおすすめです。
逆に、食事との置き換えに使ったり、タンパク質補給の間食として利用するのであれば、プレーン味を利用するのが良いでしょう。
プロテインを美味しく飲むコツ
プロテインに関して質問されるランキング一位と言えばこれじゃないでしょうか。
「プロテインて不味くないですか?」
プロテインが不味くなる理由はいくつかありますが
・溶け残ってダマが出来る
・溶けはしたがドロドロになる
・プロテインの味自体が不味い
この3つがメインになって来るかと思います。
という事で、この3点を克服するための「美味しいプロテインの淹れ方」のポイントをご紹介します。
ポイント1 ちゃんとシェイクする
プロテイン初心者がやってしまう失敗の第一位は「スプーンで混ぜただけで飲んでしまう」です。
プロテインは成分的にかなり溶けにくいため、スプーンで混ぜた程度ではきちんと溶けません。
専用のシェイカーを使わなくても構わないので、振ってもこぼれない容器を用意して、必ずシェイクしましょう。
ポイント2 シェイクしてからしばらく置く
プロテインの粉はシェイクしたその瞬間に全て溶けるわけではありません。
よくシェイクして、粉と水分の触れる面積が大きくなった状態でしばらく放置することで、よりよく溶かすことが出来ます。
ただし、あまりに長時間放置するのは禁物。溶かしたプロテインはかなり劣化が早いため、1日とか置くのはやめておいた方が無難です。
シェイク後10分もすればかなり溶けるので、ある程度溶けたら飲んでしまいましょう。
ダマが絶対に嫌な方は、シェイク→10分放置→シェイク10分放置などすれば更に溶けるので試してみてください。(夏場は冷蔵庫で放置してください)
ポイント3 ドロドロ感が嫌な場合は、水を足すのも手
豆乳など液体材料側がドロドロしている場合、シェイク後のプロテインも当然ドロドロになります。
ソイプロテインではそれが特に顕著で、豆乳+ソイプロテインの食感は、まさに「粉っぽいシェイク」。誰が飲んでも多分不味いと思います。
水で割るとプロテインの味自体がキツイという方は少なくないと思いますが、水100ml+豆乳200ml+プロテイン、のように水を少し足してあげるだけで、ドロドロ感はかなり解消されます。
使っているプロテインによって水分量の適性は変わるので、そこはプロテインと相談して決めてください。
ポイント4 プレーン味は基本不味いことを理解する
私は軽めですが糖質制限を行っているため、基本的に甘味料不使用のプレーン味を愛用しています。
ですが、プレーン味をそのまま水や牛乳で割って飲んでいるわけではなく、甘味料やココアパウダーなどを入れて、飲みやすくするための工夫をした上で飲んでいます。
プレーン味はそのままでは不味い。
そこをハッキリ認識した上で、飲みやすくする工夫をするのがプレーン味の醍醐味であることを知りましょう。
私の飲み方紹介
・ホエイプロテイン 20g(睡眠前は15g)
・カゼインプロテイン 10g(睡眠前は15g)
・ココアパウダー 小さじ1~2杯
・エリスリトール 小さじ2~3杯
・豆乳 150~250ml
・水 100~200ml(豆乳よりやや少ないくらい)
1.全てをジップロック(スクリューボトル)に入れてシェイク。
2.10分冷蔵庫で放置後、軽く振って飲む
エリスリトールがわからない人はこの記事をどうぞ→エリスリトールが最強の低糖質甘味料と言える理由
※~が多いのは、毎日飲むものなので目検討で測っているからです。
番外 お湯を入れては駄目
プロテインはタンパク質なので、高温で凝固します。つまり、お湯を入れたら固まるという事です。
プロテインを使っている方であれば、一度はやったことがあるのではないでしょうか?
まとめ
プロテインは薬ではなく食品です。
筋トレ愛好者だけでなく、食事制限でタンパク質不足になりがちなダイエッター、食が細くなって身体が衰えがちな高齢者にもおすすめ出来る優秀な食品です。
味も昔のものに比べて今のものはかなり美味しく、飲みやすさ重視、初心者向けおすすめプロテインで紹介した商品は、人によっては嗜好品になりえる程美味しくなっています。
筋トレに、ダイエットに、老化防止に、嗜好品に、幅広く色々な用途で使える万能食品を、あなたの食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
おまけ
おすすめシェイカー
わずかなダマも許せない方向け(私の父愛用)
網目状のボールを入れてシェイクすることで、頑固なダマも消滅させます。そのまま冷蔵庫で冷やして飲むのが父のお気に入りだそうです。
一番大きいサイズがシェイカーに最高です(私愛用)
プロテインに、お惣菜の保存に、弁当箱に
TVで放映された、ゴールドジム芸人特集で紹介されていたプロテイン一覧
ゴールドジムではブレンダーを使って混ぜ合わせているので、短時間でよく溶かすことが出来るみたいですね。
外で摂るプロテインのオススメはこちら!
ライザップのプロテインに興味がある方にはこちら
プロテインを含むサプリメント全般に関してもまとめました
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