糖質制限ダイエットのメリット、デメリット

2018/08/14 2017/02/13

糖質制限は、多くのプライベートジムが利用している手法でもあり、今では広くダイエッターに支持されているダイエット法です。
しかし、食事の内容を調整するダイエット法である以上、短期的に痩せられるというメリットだけでなく、身体に悪影響を及ぼす可能性のあるデメリットも存在します。

特に、ダイエッターにとって恐ろしいデメリットは「やり方を間違えると、リバウンドで前より太りやすくなってしまう」という点です。

今回は、糖質制限ダイエットを実行する際に、気を付けなければならない点にも触れながら、他のダイエット法と比較して、どのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきます。

糖質制限のメリット

楽して効率的に、かなり痩せられる

「本当に楽か?」という疑問はありますが、他のダイエット法に比べるとかなり楽です。もちろん「他の」というのは、他の「ちゃんと痩せられるダイエット法」に比べての話です。「トマトを食べるだけで痩せる」とか「塩水を飲むだけで痩せる」みたいな、嘘ネタは除外します。

ダイエットでは脂肪を落とすことが中心になります。ということは、どんな手法であっても「脂肪をエネルギーとして消費させる」ことが絶対条件になります。そして、人間の身体は脂肪よりも糖質を優先して利用します。

糖質が沢山身体に蓄えられている状態では、脂肪の消費は進みません。つまり、どんなダイエット法であっても「糖質の摂取量を減らす」ことなしに、効率的に痩せることは出来ないということです。食事制限と糖質制限が比較されることもありますが、食事制限でも、「結局は糖質の摂取量を減らす」ことになります。(ボディビルダーなどのプロが行う減量であっても、糖質を一定量削る期間が必ず存在します)

つまり、糖質制限は「ダイエットに最も効果的な形で食事制限を行う」手法ということです。

食事制限は辛いものですが、その中で「これだけでも抜いておけば結構痩せられる」というのは、効率的で楽な手法と言えるでしょう。また、効率的なだけあって、その効果がかなり強烈なのもポイントです。

リバウンドしにくく、痩せやすい体質になる

糖質制限ダイエットのもう一つのポイントは、糖質を制限しておきながら、タンパク質の摂取量に関しては「むしろ増やす」という点です。

タンパク質は身体を構築する材料のような栄養素ですが、特に筋肉の増減に大きく影響します。筋肉は代謝を上げるためのブースターのようなもの。筋肉が減ってしまえば、代謝は下がってしまい、結果的に太りやすくなってしまいます。

そこで糖質制限ダイエットでは、タンパク質の摂取量を増やすことで、筋肉の減少を防ぐという手法をとっています。

リバウンドの主な原因は、ダイエットによる代謝の低下です。代謝が低下した状態で以前と同じ食事をすれば、当然以前よりカロリー過多になります。糖質制限では、タンパク質を多量にとることでそれを防ぎます。

また、人によっては筋トレによって、ダイエット前より多くの筋肉を身に着ける人もいます。ダイエットしながら筋肉をつけるのは困難ですが、元々脂肪が多い人であればそういった結果になる場合もあります。人には適正な脂肪の量があるため、ある程度までは脂肪がどんどん減少し、筋肉の減少があまり起こらず、鍛えた分だけ筋肉がつくという現象が起こるようです。

結果、リバウンドしにくいどころか、代謝が上がって痩せやすい体質まで手に入ってしまうというわけです。

※もちろん個人差があります。また、この後デメリットとして出てきますが「過度な糖質制限」はハッキリと筋肉を減少させ、リバウンドの可能性を高めます。

健康な身体を手に入れることが出来る

ダイエットはやり方によっては身体を壊します。

漠然と食事制限を行えば、身体に必要な各種ビタミンやタンパク質、実は身体の部品ともなる脂質など、あらゆる栄養が不足します。しかし、糖質制限で制限するのは糖質のみです。糖質はエネルギー源とはなりますが、それ以外の目的では使われません。

つまり、糖質制限では栄養不足に陥ることが無いということです。それどころか、糖質を控えることで他の栄養素を多く摂取するようになり、より栄養バランスが良くなったりもします。

脳のエネルギーが足りなくなることもありますが、脂肪が分解されケトン体というエネルギー源が生み出されるため、慣れるとケトン体が上手く脳のエネルギー源として働いてくれるようになります。

ただ、そこまで追い込んだ際には後述するデメリットが生じるため、ケトン体の生成量にこだわった糖質制限は個人的にはあまりお勧めできません。

次のステージに進める

これは私が糖質制限の一番のメリットと感じている点です。

糖質制限を数ヶ月経過すると、人は「筋肉質」に憧れるようになります。

糖質制限の手法が、筋肉の元となるタンパク質を多量に摂取する手法ということもあり、糖質制限と筋トレはセットで行われることが多くなっています。また、糖質制限ダイエットを世に広めたライザップではかなりハードな筋トレを行っています。そして、CMでやっているように、ダイエット成功者はモデルのような筋肉質な肉体を手に入れています。

こういった事情から、糖質制限愛好家は、いつの間にか筋肉愛好家に変化し、痩せたかっただけの人が、いつの間にかボディビルの大会に出るようになっていたりします。

元々自分の身体に自信が無かった人が、人前で身体の美しさを競う大会に出るまでになってしまう。そんな劇的な変化を、身体に、心に与えてしまうダイエット法は、他にあまりないと思います。

糖質制限のデメリット

初期に身体の不調が起こる場合がある

糖質制限は始めたての頃には、いくつかの不調が起こる場合があります。

ハードにやらなければ起こりませんが、ハードな糖質制限開始時には、脳のエネルギーが足りなくなり、頭痛や頭がボーッとするなどの症状が起こる場合があります。しばらくすれば脂肪がケトン体に分解されて脳で使われるようになり改善しますが、私の体験から言うと、あれには慣れが必要です。人によっては「これはキツイ、合わない」と感じる方もいるかと思います。

また、そのケトン体が多く生成される状態になると、ケトン臭と呼ばれるような体臭が発生するようになります。私はそれ程酷い匂いとは思いませんが、これも人によっては苦手だと思います。

どちらもハードにやらない限り起こらないので、もしこういったデメリットに不安を感じるのであれば、主食や甘いものを減らす程度の、軽い糖質制限から挑戦してみることをおすすめします。

極端にやると逆に太りやすくなる

糖質制限の最も恐ろしいデメリットがこれです。やり過ぎると筋肉が減少し、太りやすくなります。

メリットで書いた「リバウンドしにくく、痩せやすい体質になる」ですが、これはあくまでも適切な制限を行った場合に限ります。スーパー糖質制限と呼ばれるような、極端な糖質制限を長期間続けた場合、確実に筋肉は減少します。

以前私も極端な糖質制限を行ったことがありますが(丁度このブログを始めた頃です)、体重があっという間に10kg以上減少し、同時に筋肉もガッツリ落ちました。その後筋肉質な身体を手に入れようと、高カロリー食、ハードな筋トレを実践しましたが、「一気に付き一気に落ちる性質の有る脂肪」「ゆっくり付き一気に落ちる性質の有る筋肉」という特性から、少しの筋肉と沢山の脂肪が付くという結果になった経験があります。

タンパク質の大量摂取により筋肉をある程度キープすることは可能ですが、糖質が足らないと筋肉が減少しやすくなるというのも事実です。

最も体脂肪率が低く、最も筋肉を多く持ち、最も肉体改造の知識経験が豊富なボディビルダーの人達は、極端な糖質制限はあまり行いません。デメリットを理解した上で、適切な栄養摂取を心がけた方が安全と言えます。

思考が極端になることがある

糖質制限実践者の中には、「糖質は悪」「糖質が全ての病気の原因」「糖質は毒と同じ」のような、極端な発想に到達してしまう人がいます。

「大好きなラーメンが食べられない」「パンが食べたい」のようなストレスから自分に暗示をかけてそうなってしまう人もいれば、自分の身体の状態が良くなったことを喜び、その理由を糖質制限に求めてしまう人もいます。

糖質制限が身体に与える影響は色々あると思いますが、自分が何のために糖質制限を始めたのか、どういった結果を求めているのか、それを忘れないことが大切なのではないかと思います。

自分が信じたい情報だけを信じるというのは、健康関連では特に危険な行為です。

まとめ

糖質制限のメリット、デメリットをまとめるとこうなります。

・効率的に、効果的に痩せられる
・食事の制限対象が少ないので比較的楽
・適切にやる限り、リバウンドしにくい
・栄養バランスが良くなることが多い
・ダイエッターから筋トレ好きにシフトすることが多い
・ハードにやると、最初は頭がボーッとしたり、頭痛がすることがある
・ハードにやると、リバウンドしやすくなる
・のめりこみ過ぎて、思想がおかしくなる人がいる

糖質制限は、メリットが多く、デメリットも自分で避けられるものが多いです。興味がある方は、デメリットの少ない軽い糖質制限から始めてみることをお勧めします。

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