体重の呪縛から逃れるために
ダイエットの際、体重計に乗らない人はあまりいないと思いますが、体重の増減を気にし過ぎるとダイエットには逆効果です。
理由の一つは、「体重を増やす行為の中にも、ダイエット効果の高いものがある」からです。
例えば「水を飲む」これはダイエットに悪影響でしょうか?
・水を飲むと排出が促されるのでデトックス効果がある
・水を飲むと体温が下がるので、体温を戻そうと代謝が高まる
・水を飲むと食欲が多少抑えられる、水はカロリー0なので脂肪は絶対つかない
などダイエットにプラスに働きそうな効果が色々ありますが、水を飲めば当然体重は増えます。
「水を沢山飲むと良いとは聞くけど、翌日の体重が…」
中長期的に見れば水で増えた1kg2kgの体重なんて全く意味が無いのですが、「短期的な体重の増減」が気になりだすとこういった思考に陥ってしまうこともあります。
今日は、そんな「体重の呪縛」から抜け出すための考えを書いてみたいと思います。
短期的な体重の増減は水分の増減が原因
私は毎日体重計(体組成計)に乗っていますが、激しい体重の増減が起こる日があります。
そして同時に、体組成計に表示される体脂肪率や筋肉量にも激しい増減が起こります。
一喜一憂したくなることもあるのですが、脂肪や筋肉が1日2日で激増したり激減することは絶対にありません。
つまり、体組成計の出してきた値の差は、ただの誤差。身体の水分やまだ排出されていない摂取物の差でしかないのです。
その差が体重にも出ているということです。
ちなみに、家庭用の体組成計では身体に電流を流すインピーダンス方式が用いられています。
インピーダンス方式とは「身体に微弱な電流を流して電気の通りから体組成を推測する(筋肉は脂肪の約10倍電気が流れやすい)」というものです。
水が電気を通しやすいという点を考えると誤差の理由もわかると思いますが、要するに1日2日で大きく変化するのは身体の水分量くらいという事です。
筋肉が増えると体重は増えるが体脂肪減少につながる
以下、脂肪燃焼の仕組みを抜粋します。
活動エネルギーが必要な状態(有酸素運動など)となる
↓
脳が脂肪を分解してエネルギーを生成するよう命令を出す
↓
ノルアドレナリンやアドレナリンなどの「脂肪動員ホルモン(アデポキネチックホルモン)」が分泌される
↓
脂肪を分解する酵素「リパーゼ」が活性化する
↓
脂肪が分解され、グリセロールと遊離脂肪酸となり血液中に放出される
↓
全身の筋肉で脂肪酸がエネルギーとして燃焼されるせっかく脂肪が遊離脂肪酸に分解されても、燃焼できなければ再び脂肪へと戻ってしまいます。分解した遊離脂肪酸を燃焼するためには、一定時間以上の運動が必要です。
ポイントはここ、全身の筋肉で脂肪酸がエネルギーとして燃焼される。
脂肪酸(脂肪が分解されたもの)は筋肉細胞に取り込まれ、そこでエネルギーとして消費されます。
つまり筋肉を付けた方が脂肪は減らしやすくなる。
しかし、筋肉と脂肪の重量比は、およそ「1.1:0.9」筋肉の方が重いです。
実際は、筋肉はそう簡単には増えてくれないのですが、体重にこだわり過ぎると、体脂肪減少に貢献する筋肉を増やすこともNGとなってしまいます。
※1 ただし、筋肉の脂肪燃焼効果には諸説あり、「筋肉単体の効果としては」必ずしも大きな脂肪燃焼効果を約束するものではありません。
※2 とは言え、筋肉が大ききれば「よりカロリーを消費するハードな運動が出来る」「骨や関節を痛めずに、より長時間の運動に耐えられる」など明確なメリットが色々あるのも事実です。
見るべき数値は体脂肪率
体重を見ても仕方ないという話をしましたが、では、見るべき数値は何なのか。
わかっている方も多いと思いますが、それは体脂肪率です。
冒頭で「理由の一つは、「体重を増やす行為の中にも、ダイエット効果の高いものがある」」と書きましたが、もう一つの理由は「体重を減らしても、多分ダイエットの目的は達成できない」からです。
誤解を恐れずハッキリ言うと、脂肪の比率の高さが美しさを阻害する主要因です。体重が重いとか軽いとか関係ありません。
体重は比較的簡単に落とせます。体組成のどれが減っても体重が減少するからです。お風呂に入って汗をかいたり、トイレに行くだけでも減少します。
しかし、脂肪はそう簡単には落ちません。上述したように、脂肪が分解され脂肪酸となり、筋肉によって使われて…と消費までの過程が長く、且つ限定的だからです。
簡単に落ちない現実が、より目を背けさせる部分でもありますが、脂肪の比率の高さが美しさを阻害する主要因、これも現実です。
体組成計は必要
最初に「家庭用の体組成計は誤差が出る」という話をしましたが、それでも体組成計は必要です。
理由は、測定のタイミングを固定することでダイエットの経過を見ることは出来るからです。
体組成計の示す数値はそんなにあてになりません。体脂肪率15%と表示されている人の体脂肪率が、実は18%かもしれません。
しかし、それは実際の体組成比率と計測結果が異なるという意味であてにならないということです。
毎日決められた時間、同じ生活パターンで計測を続ければ、変化の確認は出来ます。
前日食べ過ぎた、前日全く食べなかった、そういった短期的なデータはあてになりませんが、数週間、数か月という単位でデータを見れば、十分に変化が確認できます。
高い精度で測れればそれに越したことはありませんが、それ程高くない制度でも測り続ければ、十分に有用なデータが出来上がります。
まとめ
・短期的な体重の増減は身体の水分や、食べ過ぎ飲み過ぎ(未排出の摂取物)
・筋肉は体脂肪減少に役に立つ、筋肉で体重増えるのは良い事(ただしそんな簡単につかない)
・見るべき指標は体脂肪率、そう簡単には減らないけど向き合おう
・正確なデータでなくとも体脂肪率の推移は見るべき、体組成計は必要
おまけ、凄い体組成計2種
愛用の体組成計、Wifiデータ転送対応機種の中で多分一番高スペック
乗るだけで体重、体脂肪率、骨格筋率をスマホに送ってくれ、スマホアプリでグラフを見れるので大変便利。
家庭用で一番正確に測れると思われる機種、ちょっと欲しいけどWifi対応じゃないので微妙
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