筋トレは長い目で見るとダイエット効果極大、期間別おすすめダイエット法

2018/08/14 2016/06/22

ダイエットには、各々の目標があります。
「今年の夏までに痩せる!」「今年1年で10kg痩せる!」「3年くらいでしっかり肉体改造したい」

人それぞれ何らかの事情があってダイエットをするわけですが、ダイエットプランを決める際、意外に「ダイエットにかける期間」を軽視する方が多いように思います。

「いつまでに痩せたいのか」は「どんなスタイルを目指すのか」と同じくらい大切なことなのですが、そこを考えずに食事制限や筋トレをなんとなくやってしまい、思うような結果が出せなかったという方が後を絶ちません。

ダイエットは取り組む期間に応じて、適したダイエット方法が存在します。今日は、短期、中期、長期、それぞれどんなダイエット法が適しているのか、また、そのダイエット法が「取り組む期間次第ではあまり成果につながらない」理由についてお伝えします。

最も短期間で痩せられるのはカロリー制限です

「糖質制限の方が痩せるんじゃないの?」そう思う方も居るかと思いますが、糖質制限でキッチリ痩せている人は実はカロリーも制限している方が多いです。

糖質制限の理屈は一言で言うと「脂肪をため込もうとするインスリンをあまり分泌させないようにすることで、太りにくい状態を作り出す」ということです。カロリー過多でもあまり太りませんが、カロリー過多で凄く痩せるということもありません。「ありあまったエネルギーが使われることなく排出され、代わりに身体の組織がドンドン分解される」なんて不良品のような作りに人間の身体はなっていないのです。

人の身体はエネルギーが足らなければ身体の組織を分解してエネルギーを作り出します。カロリー制限中は飢餓状態と言っても良い状態なので、脂肪や筋肉を分解してエネルギーにする割合が高くなります。身体がエネルギー不足に陥れば即効果が出るものなので、短期間のダイエットでも成果は出やすいです。

ただ、身体に必要な組織も分解されるので、サプリメントでビタミンなどの不足栄養を補いつつ、目的を達成したらタンパク質や脂質の摂取で体組織の回復を促してあげることをお勧めします。

糖質制限は目指すスタイルによって他の施策と組み合わせて

前述したとおり、糖質制限の理屈は「太りにくい状態を作り出す」というものです。太りにくいということは、そこに痩せる要因を持つ施策を組み合わせれば自然と痩せるということです。そのため、糖質制限で痩せるためには「消費カロリーの増加」または「摂取カロリーの制限」が必要になります。

細さを重視する方は「摂取カロリーの制限」を選択すれば、より理想に近い痩せ方が出来るでしょう。「最初に出てきたカロリー制限と何が違うの?」と思う方もいるかと思いますが、単純なカロリー制限より制約が多くなります。カロリー総量を抑えつつ、更に糖質に関しては極端に抑えることになるため、通常のカロリー制限に比べ、難易度が更に上がります。代わりに、相対的にタンパク質・脂質の摂取量が増えることになるため、筋肉や皮膚に必要な栄養をある程度保ちつつ、脂肪を中心に減らすことが出来ると考えられています。

RIZAPのCMに出てくるような、細マッチョ的なスタイルを目指すのであれば「消費カロリーの増加」を選択すべきでしょう。筋肉は使わなければ「不必要な物」と判断されてしまうため、脂肪と共に落ちやすくなります。そこで、筋トレなどで筋肉に刺激を与えつつ、しっかりとタンパク質を取ることで、あまり大きく筋肉を落とさずに痩せることが可能となります。とは言え、「筋肉をつける」「脂肪を落とす」を同時に行うことは、身体の構造上難しいと考えられています。痩せることを目的とするのであれば、「出来る限り筋肉を減らさない」くらいのつもりで考えると良いでしょう。

ただし、筋トレ初心者や脂肪が多めの方の場合は、アナボリック(同化・筋肉が増えていく状態)がカタボリック(異化・筋肉が減っていく状態)を上回るため、筋肉を増やしながら脂肪を落とすことも不可能ではないようです。(クレアチンとかHMBとか、サプリメントの実験結果に、体脂肪減・筋肉量増加の例があります)

有酸素運動はカロリー制限と方向性は同じ

有酸素運動はカロリー制限と同じく「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を作り出すため、またその差を大きくするためのものです。そのため、カロリー制限と同じく即効性があります。

有酸素運動で使われるエネルギー源は主に糖質(グリコーゲン)と脂肪ですが、強度によって使われるエネルギー源に変化が起こります。強度が低ければ脂肪がメインで使われ、強度が上がるにつれて糖質(グリコーゲン)の比率が上がっていきます。

つまり、有酸素運動では脂肪燃焼が期待できるわけですが、減るのは脂肪だけではありません。栄養不足の状態で有酸素運動を行えば、同時に筋肉も減ります。「筋肉も減る状態=体組織を分解してエネルギーにしやすい状態」なので、その状態が必ずしも悪いわけではありませんが、バランス感覚が必要です。

有酸素運動は意外に扱いが難しいです。ダイエットメニューに組み込む際は、栄養バランス、栄養摂取タイミングに十分注意しましょう。

短期ダイエットにおける筋トレの効果

最近スクワットやプランクが流行ったこともあり、ダイエッターが筋トレを行うのは当たり前になって来ています。RIZAPでもかなりハードな筋トレを課しており、糖質制限&筋トレで痩せるというのはもはや常識と言えるかもしれません。

しかし、その短期ダイエットにおける筋トレは「筋肥大を起こす」というよりも「筋肉量の維持」と「直接のカロリー消費」に加重が置かれていると考えるべきです。筋肥大に必要なのは、筋肉への十分な刺激と「十分な栄養」ですが、短期間に「十分な栄養」を取りながら痩せるのは困難です。

RIZAPのCMで出てくるような、ほんの2、3ヶ月のダイエットでムキムキになる現象は、筋肉が増えたわけではなく、筋肉をあまり落とさず表面についている皮下脂肪を落とすことで、隠れていた筋肉が表に出てきてムキムキに見える、という現象です。

中長期のダイエットにおける筋トレの効果

「筋肉は1kgの増加で13kcalしか代謝を上げない」と言われています。これを言葉通りに受け取ると「筋肉をつけて代謝アップとか意味が無い!」となってしまうのですが、これはミスリードです。

筋肉1kgの増加で13kcalしか代謝が増加しないのは、「安静時」の話です。「1日中寝ているだけ」というような状態においての話です。また、「筋肉は」と言いますが、実際には「除脂肪体重」です。内臓、骨、皮膚など、脂肪以外の全ての組織を含みます。

多くの人は移動もすれば、勉強・仕事・運動なども行います。そういった日常生活を加味した代謝の増加はもっと大きいです。また、除脂肪体重は筋肉の1/2程度と言われています。純粋に筋肉が1kg増加したのであれば、代謝13kcalの増加では済みません。更に、筋トレによって除脂肪体重を増加させた場合、ホルモン分泌量などの変化による効果も合わせて、除脂肪体重1kgあたり50kcal近く代謝が上がると言われています。

「それでも50kcal…」と思う方も多いかもしれません。

しかし、1年間で増やせる除脂肪体重は、現実的な数値では「男性で10kg、女性で5kg」くらいと言われており、筋肉で有名な石井直方教授は15kgの増量に成功しています。除脂肪体重1kgの代謝効果が50kcalとすると「50×15=750kcal」。そこまで行かないにしても、1年で250kcalの代謝アップは現実的、男性であれば余裕を持って達成可能ということになります。250kcalアップした代謝で今まで通りの生活をした場合、「250×365=91250kcal」の消費カロリー増。脂肪換算で12.67kg分のカロリーとなります。

短期で見れば小さいかもしれませんが、中長期で見た際の筋トレのダイエット効果は極めて大きなものとなります。

まとめ

短期決戦の方(2~3ヶ月以内に痩せたい)

・カロリー制限が手っ取り早い、というか必須
・有酸素運動や筋トレで消費カロリーを増やせばより成功率は上がる
・筋トレの代謝アップ効果を狙うには期間が短すぎる
・身体への負担はそれなりに高いので細心の注意を

中期の方(3~6ヶ月、もう少しかかっても良い)

・食事制限は無理しない程度で、ゆるい糖質制限とかおすすめ
・筋肉を見た目が変わるくらいにつけることも可能、やや期間が短いので限界はある
・求めるスタイルの幅が広がるので、目標に合わせた運動を

長期の方(年単位でじっくり)

・無理な食事制限は絶対厳禁
・食事も運動も、長く続けても健康を阻害しないやり方で
・筋トレ頑張れば本当の意味で太りにくい身体を手に入れることも
・自分に合ったやり方で、自分に合ったペースで

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