子供用(キッズ)プロテインと大人用の違いとは?栄養成分を比較して分かった子供用プロテインのメリット
テレビで「子供用のプロテイン・サプリメントが人気」と言うニュースを見ました。
このブログでも何度か書いているように、プロテインは薬ではなく食品です。日常生活の中でたんぱく質が充分に摂れないのであれば、栄養補助としてプロテインを摂取することは悪い事ではなく、むしろとても良い事です。
最近はこうした需要を見込んだ「キッズプロテイン」と言う子供用に開発されたプロテインも販売されています。怪しい商品ではなく、みんなお世話になっているザバスやウイダーの商品です。
こうした子供用プロテインは、普通の大人用プロテインと何が違うのでしょうか?大人用のプロテインをそのまま飲ませるのではダメなのでしょうか?
今回は子供用プロテインと大人用プロテインの栄養成分を比較し、その答えを探したいと思います。
子供用プロテインと大人用プロテインの成分比較
同じメーカーのできるだけ似た商品で比較した方が分かりやすいと思うので、ザバスのホエイプロテイン(ココア味)の大人用・子供用で栄養成分を比較してみます。
大人用1食分(21g) | 子供用1食分(14g) | 子供用21g換算 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 82kcal | 50kcal | 75kcal |
たんぱく質 | 15.0g | 6.0g | 9.0g |
脂質 | 1.2g | 0.6g | 0.9g |
炭水化物 | 2.9g | 5.1g | 7.6g |
ナトリウム | 36~69mg | 82mg | 123mg |
ビタミンB1 | 0.87mg | 1.0mg | 1.5mg |
ビタミンB2 | 0.93mg | 0.8mg | 1.2mg |
ナイアシン | 6.4mg | 3.3mg | 4.9mg |
ビタミンB6 | 0.64mg | 0.17mg | 0.25mg |
葉酸 | 84~220μg | 30~105μg | 45~157.5μg |
ビタミンB12 | 0.8~3.1μg | 0.5~1.8μg | 0.75~2.7μg |
パントテン酸 | 0.62mg | 0.92mg | 1.38mg |
ビタミンC | 88mg | 90mg | 135mg |
カルシウム | – | 420mg | 630mg |
マグネシウム | – | 10mg | 15mg |
鉄 | – | 4.6mg | 6.9mg |
ビタミンD | – | 0.83μg | 1.24μg |
ビタミンE | – | 1.3mg | 1.9mg |
たんぱく質は大人用プロテインの方が多い
プロテインを飲むのは、たんぱく質を補給するためです。そのため、プロテインを選ぶ際はたんぱく質の量が重要になります。
同じ一食分(21g)で比較してみると、大人用プロテインは15g、子供用プロテインは9gと、同じプロテイン量にもかかわらず大人用の方がたんぱく質含有量は多くなっています。脂質もやや多めです。
最近は子供用のプロテインやサプリメントを大人が摂取するケースもあるようですが、単純に「たんぱく質をたくさん摂りたい」と言う目的であれば、大人用プロテインに軍配が上がります。
大人用プロテインは炭水化物が少ない
タンパク質がかなり多め、脂質が僅かに多めになっている大人用プロテインですが、炭水化物量は子供用の方が3倍近く多くなっています。単純に甘さが違うのか、子供に過度にタンパク質過多な栄養を摂らせることを控えているのかはわかりませんが、大きな差があります。
子供にダイエットをさせるケースはあまりないと思いますが、過度な肥満などで食事制限の一環としてプロテインを考えているのであれば、炭水化物の含有量を重視しているかもしれません。
糖質制限やダイエット目的でプロテインを摂取する人、たんぱく質は摂りたいが炭水化物は摂りたくないと言う人は、大人用プロテインを選びましょう。
子供用プロテインにはカルシウムやビタミンDが含まれる
比較表で並べて見てみると、子供用プロテインには含まれているのに大人用プロテインには含まれていない成分がいくつかあるのが分かります。
例えばカルシウムやビタミンD。カルシウムは新しい骨や歯の細胞をつくり、ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収を促進して骨の形成を助けます。どんどん新しい骨を作り、しっかりと骨を強化していく。成長期の子供に必要とされる栄養素が、子供用プロテインには意識して入れられています。
大人用プロテインとは異なり、総合的な栄養補給を意識しているようです。
ビタミンは子供用プロテインの方が多い
運動をすると不足しがちなビタミンB群や鉄なども、子供用プロテインには含まれています。
今回ピックアップした「ザバス ジュニアプロテイン」では、1日2回(約28g)摂取することで、スポーツジュニアが1日に必要とするカルシウム、鉄、ビタミンB1、B2、Cを補えるようになっています。
大人であればプロテインの他に各自必要な栄養素はサプリメントなどで補給しますが、このように一つのプロテインで総合的に色々なビタミンも摂取できるのは手軽で使い勝手が良いのではないでしょうか。
子供用プロテインは何歳から何歳まで飲むべき?
薬と違ってプロテインはあくまで食品、栄養補助食品なので明確な年齢制限はありません。
「何歳から」に関して、ウイダー公式サイトでは「小学校高学年くらいになり、リトルリーグや少年サッカーなど定期的にスポーツをするようになったら」と記載があるので、小学生高学年なら問題ないと言えるでしょう。1日に必要なたんぱく質必要量は、体重に比例しています。何歳だから何グラム、と考えるのではなく、年齢と体重の両方を考慮して摂取量を調節していきましょう。
ジュニア | よくあるご質問(FAQ) | ウイダー weider
「何歳まで」に関しても、明確な決まりはありません。上記のように大人用と子供用では含まれている成分や分量にそれぞれ特徴があります。目的に合わせて大人用が良いのか、子供用が良いのか、選びましょう。基本的に、成長期には体を作る栄養素を補助する子供用、ダイエットや筋肉の増強を目的とするのであれば大人用を選ぶのが良いのではないでしょうか。
子供用プロテインを飲むと身長が伸びなくなる?
「子供用プロテインを飲むと身長が伸びなくなる」と言うデマがあり一部では信じられているようですが、これはウソです。
ロジックとしては「筋肉がつく事で骨の成長を妨げるから」と言う理由が挙げられていますが、成長期は身長が伸びることが優先されるので、身長が伸びている間は、筋肉はつきづらい状態になっています。また、骨の形成にはカルシウムだけでなくたんぱく質が必要です。子供用プロテインを飲む事で充分なたんぱく質を摂り、カルシウムやビタミンDもしっかりと補強することで身長が伸びやすくなる事はあると思いますが、伸びにくくなると言うのは考え難いです。
また、プロテインを飲んだからと言って身長が伸びなくなるほど筋肉がつく事も考えられません。ボディービルダーのようなムキムキの筋肉は、計画的に激しいトレーニングを行ってこそ得られるもので、多少プロテイン飲んで筋トレしたくらいでは得られません。理論上ありえませんが、もし「飲んだだけで筋肉ムキムキ」なプロテインが開発されたら世界中で大ヒットすることでしょう。私も是非欲しいです。
結論:子供用プロテインは体の成長を助ける成分が入っている
子供用プロテインと大人用プロテインを比較すると、子供用プロテインには各種ビタミンやカルシウムなど、成長を助け、体を作るのに必要となる成分が含まれていることがわかりました。一方大人向けプロテインは純粋にたんぱく質の摂取を目的とし、ダイエットにも使えるよう炭水化物も抑えめになっています。
一概にどちらが良いと言う話ではなく、子供用は子供に必要な栄養成分が、きちんと目的を持って配合されているのが良くわかりました。何度も述べたように、プロテインは薬ではなくあくまで栄養を補助する食品です。摂取するのは何も悪いことではありません。
日常生活の中で、子供の栄養が不足している、もっと適切に栄養管理していきたいと考える方は、積極的に利用してみてはいかがでしょうか?
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