MCTオイルダイエットの誤解、MCTオイルを飲むだけで効果は出ない!と言う話

2018/08/14 2017/02/10

先日、テレビの「ダイエット総選挙2017」と言う番組で、「MCTオイルダイエット」が取り上げられていました。

ダイエット界隈でも話題になることが多い「MCTオイル」ですが、ただMCTオイルを毎日摂っていれば痩せる、と言うものではありません。

オイルと言うのは油ですから当然高カロリーです。何も考えず飲み物にホイホイ入れていると、逆に体重が大幅に増えてしまう…と言う事もありえます。

そんな、誤解を受けることの多いMCTオイルの効果と正しい使い方について、解説します。

MCTオイルって、そもそもなに?

MCTオイルとはズバリ「中鎖脂肪酸100%の油(オイル)」です。

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ココナッツ由来の油なのでココナッツオイルと混同されがちですが、MCTオイルはココナッツに含まれる中鎖脂肪酸のみを抽出する製造方法のため、中鎖脂肪酸100%の油となっています。ココナッツの味や香りもありません。

MCTオイルが中鎖脂肪酸100%のオイルなのに対し、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は約65%、パームオイルの中鎖脂肪酸は約53%。中鎖脂肪酸がダイエットに効くという点から、中鎖脂肪酸100%のMCTオイルがダイエット食品として注目されることとなりました。

イメージとしては、上位版ココナッツオイルです。

なぜMCTオイルにはダイエット効果があるのか?

MCTオイルは体脂肪になりにくい

MCTオイル(中鎖脂肪酸)の一番の特徴は、エネルギーになりやすく体脂肪として蓄積されにくい点です。

大豆油、なたね油など一般の食用油(長鎖脂肪酸)は、摂取した際にリンパ管、静脈を通って脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれてゆっくり吸収されたあと、必要に応じて分解され(燃やされ)、あまった分は体脂肪として蓄積されます。

それに比べMCTオイル(中鎖脂肪酸)は、直接肝臓に運ばれ、効率よく分解されて(燃やされて)エネルギーとなります。
吸収が早く、長鎖脂肪酸に比べ4倍も早く燃えるので体脂肪として蓄積されません。

要するに、MCTオイルはすぐに燃えてしまうので脂肪になりにくい、と言うことです。

中鎖脂肪酸が含まれる「ヘルシーリセッタ」を販売している日清オイリオでは、通常のサラダ油に替えてヘルシーリセッタを使用した食事を3ヶ月間続けた結果、体脂肪、内臓脂肪面積、体重、ウエストが減少したというデータを発表しています。

MCTオイルはケトン体を生成する

MCTオイルは肝臓で分解される際にケトン体を生成します。
糖質制限でおなじみの、あの「ケトン体」です。

通常、人間の体は糖質をエネルギーとして動いていますが、この糖質を極端に減らすと代わりのエネルギーが必要となります。そこで、体は蓄積した体脂肪をケトン体にしてエネルギーとして使います。

体脂肪をどんどんケトン体にできれば、それだけ体脂肪がエネルギーとして使われて減って行くという仕組みです。これが糖質制限ダイエットで痩せる仕組みの一つです。

MCTオイルは短時間で沢山のケトン体を生成し、体脂肪をケトン体に分解する効率をアップします。
そのため、糖質制限ダイエットをしている人にとっては強力なサポート食品と考えられています。

MCTオイルは普段の食事にプラスしても痩せない?

ここまで説明してお気づきかと思いますが、MCTオイルは「MCTオイル自体が体脂肪になりにくい」「ケトン体を生成する」と言う効果はありますが「食べたものを吸収させない」とか「食べた物のカロリーを無くす」と言った効果はありません。

上記のように「通常使っている油の代わりに使う」「糖質制限中に、糖質制限の効果をアップさせるために使う」と言う使い方をして、効果が得られるのがMCTオイルです。

MCTオイルを一躍有名にした「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」の完全無欠コーヒー(MCTオイルとグラスフェッドバターを入れたコーヒー)も、通常の食事にプラスして飲むだけで痩せるというダイエット法ではありません。
ファスティング(断食)や厳密な食事制限と組み合わせて、ダイエット効果を発揮しています。

MCTオイルはただ飲むだけで痩せるものではなく特定の条件と組み合わせて使う物です。食事に追加して飲むと痩せるとかそういったものではないので、注意が必要です。

TVでやった「MCTオイルダイエット」は…

先日放送された「ダイエット総選挙2017」、私も見ました。

集まった女性たちを3つのグループに分け、それぞれ違ったダイエット法を試してその体重減少率を競うと言う趣旨の番組でしたが、その中の一つのダイエット法としてMCTオイルダイエットが紹介されていました。
結果も、MCTオイルダイエット組のメンバーが1位になり、確かに体重は大幅に落ちていたのですが…。

番組で紹介されたMCTオイルダイエットの食事内容を見てみると「こんなの痩せるに決まってるだろう」と、誰が見ても明らかな内容でした。

基本的な食事メニューはMCTオイルと豆乳、野菜ジュース、150kcalのおかずのみ。
夜はそこから野菜ジュースとおかずを抜いて、MCTオイルと豆乳、アマニオイル。豆乳とオイルだけ。
これだけ極端なカロリー制限をして痩せないわけがありません。

また、ダイエット二週目からは、さらに食事量を減らして夕飯はナシ!オイルの量もカロリーが高いからか減らしていました。オイルダイエットの意味…。

他のダイエット法に比べて極端に食べる量が少ない上、ハードな運動なども行っていたので、危険を伴うダイエット法と感じました。筋肉も減少して、かなりリバウンドしやすくなってるはず。

一応、「自己判断でやらないでね」的な注意喚起はありましたが、テレビで詳しい内容を放送すれば真似する人も出るでしょうし(その観点から詳しい分量等がテレビでは放送されていましたが、当サイトでは記載していません)こういう極端な方法を「ダイエット法」として広めるのは、個人的にはどうかと思います。

MCTオイルだけを飲むだけで効果は出ない

MCTオイルの良さは、あくまでも「MCTオイル自体が体脂肪になりにくい」「体脂肪をケトン体に分解する効率がアップする」こういった効能です。つまり、たっぷりの糖質を摂って、十分なエネルギーがある状態で摂取しても、カロリー総量が上がるだけです。
MCTオイル自体が体脂肪にならなくても、MCTオイルのカロリーのおかげで使われなかった、他のカロリーが体脂肪になります

このサイトは糖質制限について扱ったサイトなので、ここを読んでいる方の多くは「糖質制限のサポート食品」として、MCTオイルに興味を持っているのではないかと思います。そういった方であれば、望んだ効果の得られる良いサポート食品になるとは思いますが、適当に飲んでも摂取カロリーが増えるだけです。

安いものでもないので、目的と期待する効果、そのために他に何が必要なのかを理解して、賢く利用しましょう。

ダイエットにはアマニ油もオススメ

同じく、ダイエット用のオイルとして良く名前が挙がるのがアマニ油です。
こちらでダイエット向きのオイルの種類と摂り方についてまとめたので、併せてご覧ください。

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