糖質制限中にカロリーゼロ食品は食べてOK?判断方法と原材料の見方
先日、「カロリーゼロのゼリーは食べても問題ないのか?」という質問受けました。
とりあえず食べても問題はないと答えましたが、なぜそんな質問が生まれるのか気になり、コンビニで見かけて手に取ったところ、気になる成分表示を見つけました。
「100g当たり:熱量0kcal、炭水化物8.2g」
炭水化物量8.2gと、「炭水化物抜きダイエット(not糖質制限)」をしている方からすると、手に取るのを躊躇してしまう記載。
「炭水化物=糖質+食物繊維」なので、炭水化物量だけを見ても意味はないのですが、確かにわかりにくい栄養成分表示です。
そこで、今日はダイエット中の栄養成分判断方法と、よくわからないけどよく使われている色々な栄養成分(増粘多糖類とか)について書いてみたいと思います。
カロリーゼロは本当の意味でカロリーゼロではない
まずはカロリーについて。
厚生労働省は、カロリーゼロの表記を以下のような場合において認めています。
「100gあたり5kcal以下」
つまり、500mlのペットボトル飲料であれば、最大で25kcalまでが「カロリーゼロ」扱いになるということです。
また、糖質は1gあたりのカロリーが4kcalとなるため、500ml中であれば、最大で6gの糖質を含んでいても「カロリーゼロ」として扱うことが出来ます。
炭水化物は糖質+食物繊維
の記事で書きましたが、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものです。
「糖質10g+食物繊維0g=炭水化物10g」
「糖質0g+食物繊維10g=炭水化物10g」
炭水化物量だけ見れば、どちらも全く同じになります。
しかし、食物繊維は人体が消化することが出来ないため、エネルギーとして使うことも、脂肪のように蓄えることも出来ません。
対して、糖質は消化することが可能で、人体の主要エネルギーとして使われます。余った分は脂肪として身体に蓄積されます。
つまり、ダイエット的には全く正反対の意味を持つ栄養が、ひとくくりにされてしまっているのです。
どうやって食べても良い食品を見抜くのか
基本的には「糖質(炭水化物)」「脂質」「タンパク質」の3種類のうち、2つ以上の含有量とカロリーがわかれば判定可能です。
1gあたりのカロリーは
糖質 | 4kcal |
---|---|
タンパク質 | 4kcal |
脂質 | 9kcal |
例えば100kcalの食品に「タンパク質10g、脂質5g」が含まれていた場合、「100-10×4+5×9=15」となるため、糖質は約4g含まれているということになります。
炭水化物量だけでなく糖質量が記載されるのが当たり前になれば良いのですが、現状、糖質量を記載せず炭水化物量だけを記載するケースも多いので、この計算方法を覚えておくと食べられるものの幅が広がります。
ちなみに、食物繊維はそれ自体にはカロリーがありませんが、腸内で発酵する際にカロリーを生み出します。食物繊維の種類によって1g中1~3kcalと幅があるのと、完全に0kcalの食物繊維もあるため、個人的にはそこまで気にする必要はないと思います。(考えると一気に複雑になる割に、考慮しても大きな差が生まれない)
ゼロカロリーサンプル たらみ カロリコカロリカ 0kcal マスカット味の栄養成分値
コンビニで見つけたのがこちら。
お世話になっている方も多いと思われる、たらみのカロリーゼロゼリーです。
100g当たりの成分はこちらになります。
熱量0kcal
炭水化物8.2g
たんぱく質0g
脂質0g
ナトリウム31mg
糖類0g
この商品は180gなので、ゼリー1個あたり14.76gの炭水化物が含まれています。
完全にゼロカロリーではないはずですが、記載上0となっている以上、100g中のカロリーは5kcal以下であることが推測できます。つまり180g計算ならMAXで9kcal程度。
全て糖質と考えても、糖質は2g以下になります。
原材料名で糖質を見極める
2g以下の糖質を気にする必要はないと思いますが、こだわり派の方は原材料からより詳細な推測をしてみても良いかもしれません。
たらみカロリーゼロゼリーの、原材料を見てみます。
原材料は、先に書いてあるものから量が多く入っているので先頭から順番に見ていきます。
ナタデココ、エリスリトール、マスカット果汁、洋酒、ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース)、紅花色素、クチナシ色素
ナタデココのほとんどは水分。残りは食物繊維なので問題なし。
エリスリトールは、みなさんご存じの甘味料ですね。
天然の糖アルコールで、一度体入っても代謝されずに排泄されてしまう甘味料です。これも食物繊維。
マスカット果汁、洋酒は糖質が含まれると推測できます。
「マスカット果汁」がどの程度の割合入っているかはわかりませんが、ぶどうは糖質の多い果物なので一応糖質アリ、とカウントしておきます。
洋酒も種類がわからないので何とも言えませんが、お菓子に使う洋酒となると糖分を付加したアルコールである可能性が高いです。
甘味料を見てみると、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロースと記載されています。
合成甘味料であるアスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースは血糖値を上昇させないので、糖質制限的には食べてもOK。合成甘味料が気になるかどうかはまた別の話。
(アスパルテームとL-フェニルアラニン化合物は同じものです)
ゲル化剤(増粘多糖類)は名前的に糖質たっぷりな雰囲気ですが、液体を固まらせる食物繊維です。
結局、カロリーゼロゼリーは食べても大丈夫?
以上の内容を総合した結果、果汁、洋酒、香料等は残りますが「ゼロカロリーでほとんどエネルギーにならない、血糖値を上げない成分ばかりなので、食べても問題ナシ」と私は判断しています。
MAXで糖質2g以下の食品をここまで気にする必要があるかどうかは別ですが…
どこまで厳しく栄養成分を見るべきか
ここまで書いておいてなんですが、個人的には「糖質・タンパク質・脂質」のカロリー量を知っていれば、それで十分だと考えています。
カロリーゼロを名乗る食品は100g中のカロリーがMAXで5kcal、糖質換算で1.2gです。カロリー制限でも、糖質制限でも、思いきり食べても大した影響はありません。
栄養価があまりないので、これだけを食べるというのは賛同できませんが、ダイエット中の気晴らしの甘味としては十分に価値があると思います。
ただ我慢ではなく、こういった食品と上手に付き合うことで成功率を高めるのもありだと個人的には思っています。
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