糖質制限中はラーメンやうどんなどの麺類厳禁!でも、そばなら食べてOK?

2018/08/14 2017/02/02

先日質問があったので、糖質制限と麺類の関係についてお伝えします。

何度かお伝えしていますが、糖質制限ダイエットで痩せる仕組みは主に2つです。

・糖質を控えることで、糖質摂取時に発生するインスリン(脂肪をため込むのを促進してしまうホルモン)を抑える→太りにくくする
・糖質を控えることで、糖質だけではエネルギーが足りなくなる状態を作り出し、第二のエネルギー源である脂肪の消費を促す→痩せる

この二つの理由を見れば、糖質制限中に「糖質量の多い麺類」を食べるのはあまりお勧めできないことがわかるかと思います。しかし、なぜか「そばは食べても太らない」という噂が後を絶たず、糖質制限においても「そばは大丈夫」と言った声を聞くことがあります。何故でしょうか。

そばは低GI値食品

そばが太らないと言われている理由に、そばは低GI食品という点があります。GIとはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後の血糖値上昇を表す指数です。こう言うとわかりにくいですが、中身は「食後2時間の間に上昇した血糖値が高いか低いか」を計算したもので、「ブドウ糖を100とした時に、この食品はいくつ?」というのを表しています。

そばのGIは約55、玄米もそれくらいと言われています。白米が約80であることを考えれば、確かに低GIと言えるでしょう。
(GIは測定によってばらつきがあるため、絶対的な数値はありません)

「血糖値の上昇を抑える=インスリンの分泌量を抑える」ことになるため、低GI食品は太りにくい食品だと言われています。糖質制限で痩せる理由の一つ目「太りにくくする」と同じ理屈です。

ではラーメンは?

そばが低GI値食品なのはわかりました。低GIでも糖質量が高いので糖質制限にはなってませんが、インスリンの分泌量を抑えることで太りにくい食事となっているのは事実のようです。では、糖質制限中に誰もが食べたくなるラーメンはどうでしょうか。

「ラーメンのGI値は50~75です」

色々調べましたが、皆言ってることがバラバラです。一体何ラーメンを食べて、何を調べたんでしょうか。これでは判断のしようがありません。

しかし、実はそれが答えです。日本のラーメンは、麺もスープも店によって大きく異なります。全粒粉を使った自家製麺のお店であれば、GI値はかなり下がるでしょうし、薄力粉、中力粉、強力粉でもGI値は異なるので、麺のコシによってもかなり変わります。

つまり、ラーメンと一言で言っても千差万別な日本において、ひとくくりにしてGI値を考えるのは無理があるということです。

糖質制限的には「ラーメン=高糖質」なので基本的にNG食品ですが、GI値で考えてそばがOKという方であれば、全粒粉の麺を使った店を探すなどで、食べられないこともないかもしれません。

高糖質高GI、多方面で隙の無いうどん

そばは基本低GI、ラーメンは種類による、しかしどちらも糖質は高め。糖質制限においては基本的にはどちらも避けた方が良い食品ですが、低GIを根拠にするのであれば、意外に食べられそうなのがそばとラーメンでした。

しかし、うどんはそうは行きません。うどんの強さは、GIでも一切の妥協を許しません。うどんのGI値は80超え、白米と同レベルです。麺類の中では無類の高さを誇ります。

実はうどんの糖質量はそばよりわずかに低いのですが、GI値では他の追随を許さず、且つ糖質量自体も十分に高い食品です。最初から諦めさせてくれるという点で、うどんは強くて優しい存在と言えるでしょう。うどんのイメージにぴったりですね。

そばと似ているパスタ

パスタのGI値は全粒粉で約50、通常タイプで約65です。GI値はかなり低いことがわかります。しかし、糖質量は100g中70g程度とかなり多く、意外にもうどんより糖質量の多いそばと似たようなかたちになっています。

パスタは全粒粉が手軽に買えるため、自宅に限定するのであれば、GI的にはそばよりも優秀です。しかし、外食で全粒粉のお店かどうかを見分けるのはかなり難しいです。そもそも全粒粉のお店は少ないでしょう。

糖質制限的にはかなりきついパスタですが、GI派の方であれば、自宅利用においてはかなり優秀と言えるかもしれません。

そうは言っても、実は低GIでもないそばの話

全粒粉の麺が低GI、そばも低GI。こう考えると何となく想像がつきますが、ああいう破片が残るような、完全に粉になりきっていない粉は消化が悪く、血糖値の上昇も穏やかになるようです。

つまり、そばの低GIの由来はそば粉にあるのですが、実は安物のそばにはそば粉があまり使われていません。ほとんど小麦粉だったりします。そば粉よりも小麦粉の方が安いのが理由です。

安物のそばは、灰色のうどんのようなものです。当然ですが、GIもうどんに近いものになります。糖質もGIもしっかり高い、王者うどんと大差がないということです。

結論、糖質制限で考えるならそばはNGだが…

そばが低GIということで、今回はGIにもフォーカスを当てました。しかし、ここまで書いてきたように、麺類は基本的に高糖質です。低GI食品は確かにインスリンの分泌量を抑える(高GIに比べて)かもしれませんが、脂肪の燃焼を促したりはしません。

ということで、当然ですが糖質制限で考えるならそばはNG食品です。

しかし、糖質制限にこだわった結果、麺類を食べることが出来ず、強いストレスを感じている人もいるかもしれません。ダイエットのために精神を病み、不健康になってしまったら本末転倒です。

そういった方は、糖質だけにこだわらず「妥協食品」としてのそばを食べるのも悪くないかもしれません。

低GI食品であれば、糖質制限で痩せる理由の片方「インスリンの分泌量を抑える」はキープできます。それ程罪悪感なく、麺を食べた満足感を得るのには、十分適した食品と言えるでしょう。

おまけ、富士そばの大罪

「そばは食べても太らない」
「おそばを食べても太らない」

店舗によりますが、富士そばの店頭にはこんな言葉がデカデカと張り出されています。当然ですが、これはそばを食べて欲しくて、店に入って欲しくて掲載しているだけで、真っ赤な嘘です。

そばには人間の三大栄養素「炭水化物、タンパク質、脂質」がしっかりと入っており、特に炭水化物量は100g中約55gとかなり多いです。これで食べても太らないのであれば、日本から肥満はあっという間になくなってしまいます。

ただ、そばそのものはカロリー低め(1食300kcal弱)なので、1人前のかけそばを1杯食べただけで、それで即太るということはまずありません。しかし問題はそれが「本物のそば」の場合です。

富士そばのそばは「そば粉4:小麦粉6」です。昔は「そば粉2:小麦粉8」だったそうです。ほとんどうどんです。

「そばは食べても太らない」
出しているのは半分以上が小麦粉のそばもどき。

富士そばの罪は大きい。

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